【2】子供のいる夫婦の遺言書作成のポイント
法定相続人
故人に配偶者と子供がいる場合、配偶者と子供が法定相続人となります。この場合、孫や両親、祖父母、兄弟姉妹、甥・姪は、相続人となりません。
法定相続分
配偶者と子供の法定相続分は、それぞれ2分の1ずつとなります。子供が複数いる場合、子供の相続分である2分の1を、子供の人数で頭割りすることになります。
(例)故人が妻と長男・次男を残して亡くなった場合の各人の法定相続分は、妻:長男:次男=1/2:1/4:1/4となります
遺留分
配偶者と子供の遺留分は、それぞれ4分の1ずつとなります(配偶者と子供の遺留分の合計が2分の1となります)。子供が複数いる場合、子供の遺留分である4分の1を、子供の人数で頭割りすることになります。
(例)故人が妻と長男・次男を残して亡くなった場合の各人の遺留分は、妻:長男:次男=1/4:1/8:1/8となります
遺言書作成のポイント
・法定相続と異なる割合での相続を望むのであれば、その旨を定めた遺言書を作成する必要があります。
(例)障がいを持つ長男に2分の1の割合で相続させる
・特定の財産を特定の相続人に相続させたいのであれば、その旨を定めた遺言書を作成することで、確実に相続させることができます。
(例)自宅の土地・建物を同居する長男に相続させる、
・法定相続人以外の方へ財産を遺すためには、その旨の遺言書を作成する必要があります。
(例)甥に〇〇銀行〇〇支店の預貯金を遺贈する
・子供と配偶者の間に親子関係がない場合、配偶者が死亡しても、配偶者が故人から相続した財産を、子供は配偶者から相続できません。このような場合、「配偶者の死後も、子供は、配偶者の財産を相続できない」という前提で相続内容をご検討下さい。
(例)故人が配偶者と再婚し、子供が故人の連れ子であったようなケース
【参照】家族が納得できる遺言書を作成するには?
・配偶者は、1億6000万円か法定相続分のどちらか大きい金額までの財産なら、相続税がかからずに相続できます(配偶者の税額軽減)
【参照】相続税の軽減措置
・遺言書の内容が法定相続分と大きく異なる場合、付言で「なぜ、そのような相続を望むのか」を丁寧に説明することで、ご家族の理解も深まります。付言事項の活用をお勧めします。
【参照】遺言書には法定事項の他は書けない?
参照記事
◆遺言書の書き方の見本については、「遺言書の書き方」をご参照ください。
◆全般的な遺言書の作成のポイントについては、「遺言書作成のポイント【総論】」をご参照ください。
◆ケース別の遺言書作成のポイントについては、「遺言書作成のポイント【ケース別】」をご参照ください。
◆遺言書の添削・作成支援を30,000円(税抜)~お受けしております。
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